衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第9巻より
2017年(平成29年)2月26日 ベストグループ道央・道南見聞会 ①
皆様、おはようございます。人間は幸せになりたいと思って、一生懸命に生きているのです。しかし、人間は苦しむために創られたのです。だから、「真の幸せってあるのだろうか」と思うのです。中には「お金持ちになれば幸せです」、「良いものを買ってもらえれば幸せです」と思う方もおられます。しかし、それは一時的ではないですか。
確かに、一時的には良い時もあるでしょう。しかしだんだんと苦しみが麻痺してきて、苦しみが何とも思わなくなった時ほど、怖いことはないのです。苦しみが増えてきても、本人は気づいていないのです。それは肩こりのようなものです。
私は肩こり症ではないと思っていたのですが、肩がガチガチなのです。肩こり症が酷かったのです。マッサージをしてもらったら一時的には楽になりましたが、またすぐに肩が凝ってくるのです。凝りが酷くなると麻痺してきて、肩こりを感じなくなるのです。首や肩が痛いなと思うことがあっても、本人は肩こり症に気づいていないのです。つまり、自分が苦しいということが分からなくなるのです。
失敗ばかりしている方は、自分が失敗していることさえも分からないのです。これが怖いのです。その失敗している原因を教えても、理解できないのです。私は会社が潰れかけて三年間しか失敗を経験していませんので、成功と失敗の差がはっきりと分かるのです。
私も失敗しなければ分からなかったのです。自分の人生をどうしたら良いか分からないという方に一つの光を与えたとしても、その光に向かう勇気がないのです。一度マイナスに陥っている方に「こちらは素晴らしい世界だよ」と言っても、勇気がなくなっているので、進めないのです。
まして肩こり症のように、長い間麻痺している方に「このようにしたら幸せになれますよ」と言ったとしても、苦しみの世界にいる方には理解できないのです。そして、そういう方に限って「私は道徳を知っています。実践しています」と言うのです。
道徳の基本は、人あるいは社会との関わり方です。人との関わり方が下手だから人間関係が上手くいかないのでしょう。それが分からないから、人生で痛い目にあっているのでしょう。それが麻痺している方は、もう分からないのです。「道徳を実践しています」と言うのです。
その結果、心の貧しさが物質の貧しさであることや、体も少しボロボロになってきているということや、人生で生きている楽しさもないということに気づかなくなってくるのです。
私は二十七歳から一人で会社を始めたのですが、たった四年目で飛び込み訪問販売ではトップクラスの売上を頂きました。資本金は一千万円で、それも無借金でさせて頂きました。
五年目に一千億円の売上目標を掲げて敗れていきました。普通に考えると常識はずれなことですが、私は「できる」と思ったのです。そして敗れていく過程の中で、人間は色々な経験をしていくのです。
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